“Christian Dior MONSIEUR” 80’s-90’s Ribbed collar oversized wool field jacket
1947年に発表したニュールックを起点に、時代を超えて受け継がれるエレガンスを提案し続け、1969年にはメンズラインのMONSIEURを始動させたChristian Diorより、異素材の組み合わせと独創的なディテールが美しい逸品をご紹介致します。
深みのあるブラックを基調としたウール素材に、立体的な畝を描くリブニットの襟を組み合わせており、ゆとりを持たせたリラックスシルエットと、随所に施された実用的なポケットデザインによって、クラシカルな気品と洗練されたカジュアルさが絶妙なバランスで共存しているこちらの逸品。
まず特徴的なのは、首元を大きく包み込むように設計されたリブニットカラーで、細やかに編み立てられた畝が生み出す豊かな立体感と、ウール生地の落ち着いた表情との対比が美しく、シンプルなジャケットの構造に奥行きを与えています。襟部分にはウールとアクリルの混紡素材を使用している為、本体とは異なる編み地特有の柔らかさが感じられ、首元の印象を自然に引き立てていますね。
そして、フロントには落ち着いた光沢を持つボタンを縦に配しており、直線的に伸びる前立てが全体をすっきりとまとめる一方、胸元には開口部を横方向に切り替えた独特なポケットを設け、脇に添えられた小ぶりなボタンとともに、機能的なディテールを装飾的な要素として取り入れている点も魅力的です。
シルエットは肩の位置をやや落としたゆとりのある設計となっており、身頃から袖にかけて自然なボリュームを持たせることで、身体のラインを拾いすぎず、着用した際に柔らかな落ち感を生み出す構造が特徴的です。裾には緩やかな丸みを持たせている為、長めの着丈でありながら重たい印象になりすぎず、テーラードジャケットとハーフコートの中間のような感覚でお召しいただけます。
素材にはウールを90パーセント使用したナイロン混紡生地を採用しており、表面に現れる細やかな毛羽立ちが落ち着いた風合いを形成するとともに、襟元の編み地との質感の違いによって、単色の中にも豊かな表情が生まれています。また、内側にはポリエステルとキュプラを使用した裏地を備えており、秋冬のレイヤードにも取り入れやすい仕立てとなっていますね。
こちらは1980年代から1990年代にかけての国内ライセンス展開期のアーカイブと推定され、ブランドタグに記されたMONSIEURの名称や、品質表示に残る旧国内ライセンス事業者の識別コードが、1997年に終了した当時の日本展開と整合していることからも、現在とは異なる時代のディオールのメンズウェアを感じられる存在となっています。
スタイリングとしては、ドレスシャツにワイドスラックスを合わせることで、クラシカルなメンズウェアの品格を活かした装いに仕上がりますし、柔らかなブラウスやロングスカートなどと組み合わせれば、ボリュームあるシルエットとの対比を楽しみながら、よりモードでジェンダーレスな着こなしにも落とし込んでいただけます。
伝統的なメンズウェアの要素を大切にしながら、素材の切り替えや独創的なディテールによって新たな表情を生み出した、時代を超えて日常に取り入れられる逸品となっております。
是非この機会に。