"GUCCI"
2020's Mohair-blend shawl collar tuxedo jacket
1921年の創業以来、イタリアのクラフツマンシップを軸に独自の美意識を築き続けるGUCCIより、正統的な華やかさを宿した逸品をご紹介致します。艶やかなショールカラーと端正なテーラリングによって、フォーマルウェアの品格を現代的に表現しているこちらの逸品。
表地にはウール83パーセントとモヘア17パーセントの上質な混紡生地が用いられ、きめ細かなウールの質感へモヘア特有の適度なハリと控えめな光沢が加わることで、深いブラックの色調に奥行きが生まれており、照明を受けた際にも過度に主張することなく、仕立ての美しさを静かに際立たせています。

首元には丸みを帯びながらフロントへ滑らかにつながるショールカラーを備え、拝絹部分には表地よりも艶のあるレーヨンとシルクの混紡素材が配されている為、タキシードジャケットらしい格式を保ちつつ、GUCCIならではの官能的なニュアンスを感じさせる仕上がりとなっています。

構築的に整えられたショルダーラインから身頃が縦へ美しく落ち、ウエストには緩やかなシェイプを持たせることで、大きめのサイズでありながら輪郭が曖昧にならず、長めに設計された着丈と相まって堂々とした佇まいを演出しており、胸元の箱ポケットや左右のフラップポケットも全体の端正なバランスを崩さない位置へ配置されています。
フロントはミニマルな一つボタンを基調としたタキシード仕様で、袖口には光沢を備えた包みボタンを5つ連ね、正面から見た際の抑制された印象に対して手元へ繊細な華やかさを添えており、装飾へ頼ることなく素材と仕立ての差によって存在感を生み出す、ラグジュアリーウェアとして完成度の高いデザインと言えますね。
内側には黄みを含んだアイボリーからシャンパンを思わせる滑らかな総裏地があしらわれ、レーヨン68パーセントとシルク32パーセントの生地が袖通しの良さを叶えるとともに、ブラックの表地との美しい対比を生み出し、着用時には見えにくい部分まで贅沢に作り込まれたイタリア製ならではの品質を感じていただけます。

品番と素材表記が欧文品質タグおよび国内代理店タグで一致し、同一品番の流通記録が2021年から2022年頃に確認されることに加え、株式会社ケリングジャパンの表記やタグの仕様も当時の製品背景と整合する為、2020年から2022年頃に展開された個体と位置付けられます。これはAlessandro Micheleがクリエイティブ・ディレクターを務めた時期と重なり、クラシックなメンズテーラリングへ艶やかな素材使いを取り入れた、同時代のGUCCIを象徴する美意識が色濃く感じられますね。
構築的な肩周りと余裕を持たせた身幅を活かして正統派のフォーマルスタイルを楽しむことはもちろん、体格に合わせてゆったりと纏うことで、タキシードという格式ある形式を日常着へ自然に落とし込める点も大きな魅力です。工場管理ラベルを含む複数のタグが残されており、品番や素材、生産国の情報が相互に整合している点からも、デザインの美しさだけではなく資料性を備えた価値ある存在と言えますね。

ドレスコードのある場面で品格を求める方にはもちろん、日常のワードローブへ静かな華やかさを加えたい方にもおすすめで、白いシャツとスラックスを合わせれば王道のエレガンスが完成し、薄手のニットやカットソー、色落ちしたデニムと組み合わせれば、拝絹の艶を引き立てながら肩の力を抜いたモダンな装いへ仕上がります。
流行に左右されないブラックタキシードの普遍性と、GUCCIらしい豊かな素材表現を同時に味わえる、特別な場面から日常まで長く寄り添う逸品です。是非この機会に。