"DRIES VAN NOTEN"
2017AW Sculptural wide-lapel double-breasted wool coat
アントワープを拠点に、卓越したテーラリングと独自の色彩感覚によって現代の装いを提案してきた DRIES VAN NOTEN より、構築的なデザインの逸品をご紹介致します。
クラシックなダブルブレストコートを基調としながら、肩周りを印象付ける幅広のラペルと、意外性のあるサイドファスナーによってモダンに再構築されたこちらの逸品。

表地には毛80パーセントとナイロン20パーセントを混紡した生地が採用され、ウールならではの落ち着いた風合いに適度な密度とハリが加わることで、端正な輪郭を保ちながら秋冬の装いに相応しい重厚感を生み出しており、光の加減によってブラックにも映るほど深いダークネイビーの色彩が、その構造的なフォルムを一層洗練された印象へ導いています。
フロントには均整の取れた8つの4穴ボタンが配され、ダブルブレスト特有の端正な佇まいを形成するとともに、首元から胸元へ大きく展開するワイドラペルが視線を自然に上方へ集める為、ミドル丈の落ち着いたバランスでありながら明確な存在感を感じさせます。襟を開いた際にはクラシカルで堂々とした表情を見せ、フロントを留めれば身頃に立体的な重なりが生まれるなど、着方によって印象を変えられる点にも DRIES VAN NOTEN らしい緻密な設計が表れていますね。
肩のラインは過度に誇張せず端正に整えられ、身頃には適度なゆとりを持たせつつ裾へ向かって素直に落ちるシルエットとなっている為、ボリュームのある襟との対比が美しく、ヒップ付近まで覆う着丈が防寒性とスタイリングのしやすさを両立しています。さらに縦のラインを強調するポケットが全体をすっきりと見せ、サイドに設けられた OPTI 製ファスナーを開閉することで可動域を確保しながら、裾周りにスリットのような抜けを作り出せるなど、実用性をデザインへ昇華した構造も大きな魅力です。

裏地には滑りの良いキュプラとコットンが用いられている為、ニットやジャケットの上からも袖を通しやすく、表地の確かな重厚感に対して着用時の快適さまで丁寧に考慮されています。表記サイズは48となり、身体を締め付けるタイトな設計ではなく、インナーを選びながらシルエットの美しさを楽しめるバランスに仕上げられていますので、正確なフィッティングについては実寸と併せてご確認ください。
こちらは品質表示タグに記された管理番号の構成がトゥモローランド系の品番体系における2017年秋冬のものと整合し、ブランドタグや仕様にも同時期の特徴が確認できることから、2017AW頃のプロダクトと判断できます。Dries Van Noten 本人がデザインを担っていた時代のクリエーションとして、伝統的な紳士服の形式を尊重しながら予定調和に収めず、ワイドラペルやサイドファスナーによって独自性を加えた完成度は、アーカイブとしても確かな付加価値を備えていますね。

華美な装飾に頼ることなく、パターンと構造によって個性を表現したい方へ特におすすめで、端正なコートを日常へ取り入れつつ、さりげない違和感やモードの余韻を求める方に相応しい逸品となっております。ボタンの留め方やサイドファスナーの開き具合によって輪郭を調整できる為、整然としたスタイルから力の抜けたレイヤードまで幅広く対応し、着用者自身の感覚を自然に反映できる点も本作ならではの魅力と言えますね。

スタイリングとしては、端正なウールスラックスとハイゲージニットを合わせればラペルの造形が際立つ都会的な装いにまとまり、色落ちしたデニムやボリュームのあるシューズを取り入れることで、クラシックな佇まいを程良く崩した日常的なスタイルもお楽しみいただけます。サイドファスナーを開いてインナーの色や素材を覗かせれば、深いダークネイビーに軽やかな奥行きが生まれますので、秋冬のワードローブに明確な個性をもたらすコートをお探しの方は、是非この機会に。