“tricot COMME des GARÇONS” 05AW Layered lace ruffle cotton blouse
1981年にCOMME des GARÇONSから派生し、ニットウェアを出発点としながら次第に洋服そのものの構築や素材表現へ領域を広げてきたtricot COMME des GARÇONSより、栗原たおによる2005年秋冬期の繊細な装飾性が映える逸品をご紹介致します。
端正なブラックのシャツをベースに、前身頃の左右へギャザーを寄せた別布と複数のレースを幾重にも重ねることで、平面的なシャツの構造から立体的な表情を浮かび上がらせているこちらの逸品。

胸元にあしらわれた装飾は単純なフリルではなく、細かな透かしを持つレースや柔らかく波打つ布帛を不規則に重ねながら縦方向へ連ねており、正面から見た際にはクラシカルなドレスシャツを思わせつつ、近くで見るほど複雑な素材の重なりが現れる設計となっています。
一方で襟はシャープなレギュラーカラー、袖も装飾を抑えたストレートな構成となっているため、フロントの華やかさが過剰にならず、tricot COMME des GARÇONSらしい日常着としての軽やかさもしっかりと残されていますね。幅を持たせたカフスも手元を端正に見せ、ボタンを閉じた際にはシャツとしての緊張感が美しく際立ちます。

本体には綿100%を用い、別布にはキュプラ、さらにレース部分には綿、レーヨン、ウール、ナイロンを組み合わせており、同じブラックの中でも光の受け方や質感に細かな差が生まれる素材構成となっています。色彩ではなく表面の違いだけで奥行きを作っている点も、このアイテムならではの大きな魅力です。

品質表示にはAD2005の表記が確認でき、2005年秋冬シーズンの個体であることが裏付けられています。また当時tricot COMME des GARÇONSを手掛けていた栗原たおは、レースやフリルといったフェミニンな要素を構築的な服へ落とし込む表現を得意としており、そのデザイン背景まで含めて楽しめる点にも確かな付加価値があります。
甘さのある装飾をそのままフェミニンに着るというより、緊張感のあるブラックシャツとして取り入れたい方に特におすすめで、装飾性とモードのバランスを日常へ自然に落とし込める逸品と言えますね。

スタイリングとしては、端正なスラックスやロングスカートと合わせてフロントの装飾を主役にするほか、テーラードジャケットの内側からレースだけを覗かせる着こなしも非常に相性が良く、ワイドパンツと組み合わせればジェンダーレスかつ現代的なバランスでもお楽しみいただけます。
是非この機会に。